おおかみこどもの雨と雪 ただの感想 ネタバレあり

公開初日に観た映画はこれが初めて。意外とゆったりと観られた。

全体的にあっさりしていて、刺激やカタルシスを求める人は物足りなく感じるんじゃないかと思うし、自分自身これで終わりなのかとすこし残念に思ったくらい。

グッときたポイントは3箇所ほどあった。一つめは本当に何気ない場面で、説明することもないほどの場面だった気がする。親子3人で何気なく過ごしてるような場面で、音楽だけがながれているような。

あとの2つはラストに集中する。狼であることを告白する雪に対し、草平が既に知っていたという場面と、雨が親元を離れて狼として咆哮するシーンである。

むしろ見どころは日常のリアルな描き方と美しい映像かもしれない。経験した人ならわかるヒヤッとするシーンが多い。小学生の「やっぱり」というセリフなど、痛々しい子供時代を嫌でも思い出す。

幼少期は雪が狼としての生き方を謳歌していただけに、その後とのギャップがまた痛々しい。

意外と、古き良き映画の記号を多用しているようにも思われた。すぐ思い浮かぶのは、笑うなといっても笑ってしまう花や、亡き夫のところへ行きかけるも、「雨がいないの」と言って一命をとりとめたり。

映画のテーマは何かと言われれば、それは公式サイトのイントロダクションに書いてあるとおり、子育ての映画としか言いようがない。ただそれを忠実に描くだけで良かったのであり、それこそが難しいかっとのだと思う。アニメはそれにちょっと味付けできる。

雪山のシーンはトレイラーのために作られたとしか思えず、あの印象で観るのを躊躇っている人は観たほうがいい。とはいえ映像作品としても本当に素晴らしいと思う。目にも耳にも楽しい。

子供ができたらまた観たいし、観せたい作品。